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近代民主主義の正体

 近代民主主義は、建国からわずか二五〇年にも満たない継承すべき文化、歴史、伝統を持たない米国のような国家にはお似合いなのだろうが、わが国のように二六八〇年もの悠久の歴史を持ち、独自の文化、歴史、伝統を育んできた国家には、全く持って不釣り合いなものなのである。
 このサイズが合わない服を、戦後わが国が着続けているのは連合国の日本無力化政策のためである。
 日本を無力化するためには、日本民族の連帯感を破壊することが、もっとも有効な手段と考えた彼らは、占領期間中に新しい憲法という布地で服を作り、それを無理やり日本に着せた。
 しかしそんな窮屈な服は占領期間が終了すれば、脱いで自分たちに合った服を作り直すに違いない。
 そう予想した彼らは、服を作る近代近代民主民主主義の正体主義の正体虚妄の近代文明虚妄の近代文明と同時に、それに反発する可能性のある者たちを徹底的に公職から追放し、連合国が作った服を褒めそやし、身体を服に合わせるように促す人々を政財界や教育界へ送り込んだ。
 その甲斐あって、戦前の古い服は素材が悪く時代遅れで、一部の人たちだけの奇抜な服とされ、戦後の新しい服こそ材質も見栄えも良く、どこへ着て行っても恥ずかしくない服として定着した。
 われわれが為すことは、日本に合わない服を脱ぎ新しい服を着る。
 すなわち近代民主主義から脱却し、新しい政治思想を導入することである。その新しい政治思想は、近代民主主義がもたらした個人主義や平和主義によって、砂粒のように分断された民族の連帯意識を再び強固にするものでなくてはな
らない。
 日本の現状を根本から糾弾し続けるわが同盟こそ、その新しい政治思想を提示し得ると、私は信じている。

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