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悩む素晴らしさ

編集部「今回は特別企画として、青年の方々と森垣委員長への質問会を催しました。現在の大人社会の組織になかなか馴染めないこと、人間関係での悩みなど、この機会に是非、忌憚なき意見や質問をぶつけていただき何らかの回答を得れば幸いと思います。それでは自己紹介とご質問ご意見をお願いいたします」

神崎俊仁氏「社会人二年目の神崎と申します。メーカーで営業をしています。周囲の先輩上司やお客様となんとか上手く付き合っていますが、毎日非常に疲れています。いまだに会社に馴染めない自分がいます。営業成績もいまいち伸び悩んでいます」


森垣委員長「こんにちは。神崎さんは自分では上手く付き合っていると言われますが、相手に合わせることを上手く付き合うことと思っているのではないでしょうか?」


神崎「そうです。まだまだ自分は未熟ですしお客さまに対しても失礼がないようにと気になってしょうがありません」

 

森垣「確かにその心がけは大事ですし相手を慮ること、礼節、誠意は絶対に必要です。ただそれに加えて周囲やお客様が本当に求めているのは、実は神崎さんの本心や本気度なのです。つまり自分で本当に悩み考え抜いて相手のためと思って発した自分の言葉であり態度なのです。人間関係の信頼構築には年齢差も実績差もありません」


神崎「ある程度勉強して知識や経験を積んでからと考えていました」

 

森垣「確かに。勉強は大切です。では神崎さんは何時になったら満足する知識や経験を積むことができると思いますか?」

 

神崎「・・わかりません」

 

森垣「そうですよね。そもそも人間は自分の明日さえコントロールできない永遠の未熟者なのです。だから死ぬまで毎日が勉強なのです」「未熟ならば未熟なりに、わからないならわからないなりに、できる限りの情報収集、他人の知恵を通じて一瞬一瞬、一所懸命熟慮し判断し決断する。その結果が、その時の自分の意見であり、お客に対しての提案となるのです」

 

神崎「それで立派な提案ができるのでしょうか?」

 

森垣「勿論立派なアイデアや提案ができるに越したことはありませんが、しかし周囲やお客の求めているものは、現在の限られた環境の中で自分のために本当に考えてくれている真摯な同志の存在なのです」

 

神崎「同志?ですか」

 

森垣「そうです!単なる仕事上の窓口でなく、社内のパシリでもオベンチャラのような、やむを得ず付き合っているに過ぎぬ輩ではないという意味です。神崎さんは二年目ならば、後輩がいると思いますが後輩に対しても同様、猛烈に悩み苦しみ、そして自分なりの結論を出せる姿を見せてください。失敗しても自分で出した結論で堂々と叱られ責任取る覚悟こそ、必ず自己成長と周囲からの厚き信

頼を獲得できますよ」

 

神崎「わかりました!ぜひ社内社外でも人生の同志を作ることがきるよう自分自身精進し続けます。ありがとうございました」

 

編集部「神崎さんどうもありがとうございました。今後のご成長ご発展を祈念申し上げます。是非、またいらしてください。さて、次は田中さん、よろしくお願いします」

田中佳江女史「今春入社したばかりで商社の事務をしています。周囲に苦手な人がいて気になって毎日出社するのが憂鬱です。気にならないようにするにはどうしたらよいでしょうか?」

 

森垣「こんにちは。確かに、どこにでも自分とはそりの合わない人がいますよね。相手にも感情があり、こちらをよく思っていない場合もありますね。それら含めて、その苦手意識、好き嫌いはあくまでも自分の主観ですね。互いの気持ちは鏡のように、双方好きか双方嫌いになる傾向があります。ならば、嫌いな相手に対してへつらったり卑屈になる必要はさらさらありません。心の中で私はあの人が嫌い!と認定しておけばよいのです」

 

田中「え?嫌いと認定するのですか?」

 

森垣「『私は〇▲が嫌い!』と自身の中で明確に決めてすっきりしておくことです」

 

田中「できるかしら」

 

森垣「そこです。社内の同じ仲間を嫌いになってはいけない、仲間外れになったら嫌だなどと思って『仲良くしなければならない』『上手く付き合わねばならない』などの意識し過ぎている葛藤が自分を苦しめているのです」

 

田中「それはあります」

 

森垣「一般的に、『相手の幻影はこちらの認識の強さに比例する』のです」「嫌な相手の存在が無視できたり忘れることができればよいが、しかし、その者の存在が寝ても覚めても自分の頭から離れないということは、まさに相手の術中にはまってしまっているのです。相手から見れば、『ざまあみろ』ではないですか」

 

田中「そうです。夢にまで出ました」

 

森垣「まさに愛憎表裏一体です。愛する人のことなら四六時中楽しいですがね。そもそも相手と同じ土俵に乗っているから頭にくるのです。その悪夢を消滅させるためには土俵を変えるのです」

 

田中「土俵を変えるというのは相手を見下すことでしょうか?」

 

森垣「見下すのではなく、相手を飲み込むのです。『丁寧・寛容・赦す』の対応を心掛け相手の言動に動じない、さらには相手を風景と同化させるほど相手の存在をぼやかすのです」

 

田中「無視することですか?」

 

森垣「無視とは強烈に意識してこちらが眼をそらす事ですね。それに対し、相手の言動を受けて、『何か言ってるよ』『所詮こちらは相手にしていないのだから仲良くする為の努力は必要ない』程度に位置付ける為の寛容です。若い田中さんの人生はこの先、もっと大きな災難や幸せが間違いなく到来します。他人のことを考える努力大前提は、自分に向き合い自分を良く知ることです。自分が何を考え求めているか、その時その場で間違いを恐れずに判断し決断するのです。己の意志が身に付けば、自ずと自分の言動態度が変化し、それが波及し周囲が変わるのです」

 

田中「そうですね。他人を評価するのではなく、まず自分自身を日々見つめ直していかなければならないと言うことですね」

 

森垣「そうです!困難も同様。ちっぽけな悩みが、生死に関わる大問題の登場によって、一瞬にして霧散するのです。そのような問題が身に降りかかっていないことに感謝し、心身にわたる自己研鑽に邁進し続けることです。そうすれば、かつて嫌だった者がなんとちっぽけな存在だったのかと驚愕し、改めて自己の度量成長を認識することでしょう」

 

田中「大変参考になりました。ちっぽけな自分を脱皮していく勇気をいただきました。ありがとうございました」

 

編集部「森垣委員長ありがとうございました。
またお二人には、今後成長した姿を是非見せてください。同盟は、その行動の基軸は人格成型にありとし、このような基本中の基本の「どうやって生きるか」を真摯に考え研究会やフォーラムでも実践しております。乞うご期待ください。
本日はありがとうございました」
 

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