超国家主義『民族の意志』同盟
超国家主義運動の経済政策
超国家主義運動は、祖国の再建と国体の復権、そしてわが国を維新変革し、世界新秩序を建設、更には世界史を変革するという雄大な新文明闘争に邁進するものです。
このためには、まずもってわが祖国の最強力国家としての構築が不可欠であり、偉大な文明闘争には「戦争状態」をも前提とした国家建設を目指さねばなりません。
この臨戦体制を磐石にする為の経済システムは自給自足体制の確立であり、強力な国防建設、全国民に対する福祉の完備が必要です。
1・経済の目的
国家国民の最大公約数的な至福向上。即ち、強力国家建設の為の人・物・金の最大有効利用・動員です。
この為の絶対条件は、「個に対する全体の優先、私に対する公の優先」
また、経済はそれ自体は目的ではなく、目的達成の為の手段に過ぎず、現在の経済優先社会においては、経済とは個人(私企業・特定集団の利益も当然含まれる)の利益獲得手段を指すものとなっています。
私・個が主体である場合には、当然ながら目先の利益に拘泥せざるを得ません。
しかるに利潤追求、それも短絡的な利益追及システムを経済と履き違えてきました。
私共の運動の「経済」とは、経世済民である。社会全体に対する奉仕に他なりません。
全体の利益追求を可能にするのは、あくまでも私企業や個人では断じてなく、民族共同体たる国家であるということを認識しなければなりません。
全体像の中の各部分には、利潤格差の幅が存在し、単なる目先の利益追求では把握できない長期的利益は場合により全く顧みられないケースが多く、ゆえにこのように雑多な要求・利潤追求は全体的利益の下に置かれねばなりません。
そのような見地から次の大前提たる「政治の経済に対する優先」が掲げられます。
2・手段としての経済システム・階級協調経済
したがって、国家の求める要求にこたえるべく「労働力・物資・資本」を臨機応変に適材適所に配置できるようにしておかねばなりません。
当然ながら平時と戦時の相違も生じるでしょう。
また、国家それ自体が有機体であると断じ、その中における各細胞を均一化画一化する必要は全くありません。
社会主義・共産主義のように、労働時間を基準とした労働価値説はまったく愚かしい事であり、また人間としての欲求・欲望・感情を去勢する生活には躍動も発展もあり得ません。
故に、職業区別、能力区別、地域区別を認識した上で、あらゆる階級の存在を自覚認識し、それらの協調をはからねばなりません。
そこで、重要となるのが、誰が協調させるか、適材適所配置を行なうのか、ですが、これは当然ながら全体を司る国家機関、つまり政府が行なわねばなりません。
強力な民族国家建設のため、個々人の利益に狂奔し全体利益を損なうアンバランスを是正し、効率的な資源の動員分配を行なわねばなりません。
3・国家の優先
これらを考察するからには、個人と国家との関係を明確に位置付ける必要があります。
個人の経済的側面として最も重要なものは、私有財産制です。
一見逆説的に見えますが、個人的自由・個人的利益を強力に追求する為には、個々人のちっぽけな利益に拘泥していては結局は希薄脆弱な利益しか残らなくなります。
中長期的見地、全体的見地からの最大効率の利益追求は、国家的利益(国益)という全体利益を第一義的にすることから始めなければなりません。
即ち、国家の個人に対する優先。
その中にあって、全体の利益に反しない限り、個人的利益の追求・私有財産制は積極的に行なわれるのです。
しかしながら一部私益が国家をも揺るがす影響を及ぼす場合には、これを断固処断しなければなりません!
4・生産手段の公共化
利益の出し方にも、各々直接的間接的、長期的短期的、全体的個人的なものが存在します。
これらの中で、生産効率の悪いものや社会性を重視するもの、そしてなによりも土地・金融・交通など特に国益に直結するものに対しては、公共化すべきです。
また、私企業についても意欲的に拡大発展を目指す環境を醸し出すことは必要ですが、社会性・国益性を監視すべく、企業内に現在の社外監査役とは異なった性質の経営指導者を配置します。
5・貿易
貿易の目的はあくまでも自給体制の補完要因にほかならず、単なる経済側面ではなく、明確な外交政策であることを認識しなければなりません。
対外貿易を考察するためには、故に軍事的、政治的、外交的そして経済的側面から検討する必要があります。
国益の為の手段としての貿易は、あくまでも政治の範疇に内在しており、国家管理のもとでの対外政策の一環にすぎません。
食糧・軍需の自給自足体制の確立がなによりも第一に位置され、補完作用として対外貿易が存在するのです。
これも対外資産や外貨準備制度も見直し、輸出偏重経済や輸入偏重依存経済は国家自立を損なうものとして、これを打破し、貿易決済はバーター貿易を推進しなければなりません。
また、資源・資金・人材の拡大をはかるがため、強力な政治力を行使出来る範囲で、強力な円経済圏の確立、さらにはアジア経済共同体、そして大アジア共同体の建設を目指さなくてはなりません。