超国家主義『民族の意志』同盟
自主独立なき所、論争なし
1・わが国はいまだ植民地
先日、安部晋三首相は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)に参加表明しました。
FTA(自由貿易協定)の一種ですが、これとてもアメリカが事実上主導しアメリカが自由に他国市場を簒奪蹂躙する協定に過ぎません。
参加・不参加で朝野意見が分かれていますが、この論旨自体が既にナンセンスです。
戦後アメリカの属国に甘んじ国作りや方向性さえ打ち出せないでいるわが国政府が、アメリカの意向に全面的に服従することは火を見るより明らかだからです。
輸出がし易くなる等、メリットがデメリットより大きいなどと、根拠なき姑息理由をつらつら説明するが、畢竟、アメリカの利益を約束するものであり、わが国の利益などは全く約束されてはいないことをまずもって理解せねばなりません。
全農など農業部門で大きな反対がありましたが、このままではわが国の農業は壊滅的打撃を受けるでしょう。
だが、重要なことを忘れてはなりません。
高い関税、補償金などわが国農業が現今過保護されねば死滅する寸前に陥っている元凶こそ、戦後保守本流を自負する吉田茂であり、その系譜にある戦後保守政権の対米追従・農業破滅政策にあるのです。
これは自主独立国家として最低限確保せねばならない農業自給自足体制を完全に放擲した国賊的策動に他なりません。
このように農業を破壊しておきながら、他方で農業を泥縄式に保護している摩訶不思議が生じているのです。
まさに、自国民の糧食を自国で補えないことこそ、自主独立国家としての資格がないといっても過言ではありません。
アメリカの対日奴隷化政策の走狗となっている保守政権が続く限り、自主も独立もあり得ないのです。
すなわち、日米安保条約により米軍政下におかれているわが国は、いまだ自主独立国家とは断じて言いがたいのです。
また、その経済システムは、まさに米国主導の経済戦略に組み込まれた、アメリカ経済システムの下請けとしての役割以上のものではありません。
代表例は、アメリカで廃棄された鉄くずを購入して、これを造船や車製品としてアメリカに輸出する「加工貿易」に見られます。
全日本を「下請け機械工場」に画一化すべく、時の売国政府と私利私欲経済界首脳どもは「食糧農業などは東南アジアにでも作らせろ」として古来受け継がれてきた神聖な農地農家を次々と破壊破滅させてきたのです。
既に終戦直後から実施されたアメリカの対日奴隷化政策とこれに呼応した政経界に巣くう売国奴の手によって、現在の歪な経済システムが構築され、結果、現在わが国民の生存が脅かされ続けているのは当然の帰結であります。
さらに、重要なことは、従来わが国で培われてきた共同体経済システムを、戦後は「軍国主義に繋がるもの」としてズタズタにされてきたことを挙げねばなりません。
わが国ではあらゆる場面で対日奴隷化政策が施行され、世界最強の民族的結束力を阻害させるために過度な個人主義を押しつけてきたのです。
それは、現今社会の経済目的は私的利益の追求が公然と叫ばれていることでも判明されます。
「自由競争」「競争原理」の名の下で、個々人は勝手気ままに利己的私欲に狂奔し、これを妨害する社会的束縛を敵対視する経済システムが当然とされているのです。
そもそも近代ヨーロッパで始まったと称する市民は、国家を敵対視することで、己の存在意義を示してきたのであり、このような利己的で偏狭的経済観念を繁殖させたウィルスこそ、近代西洋的個人主義、特にアングロサクソン白人の価値観にほかならないことを明確にしなければなりません!
2・自由主義に自由はなし!
「対米従属・経済優先・国防軽視」の吉田売国ドクトリンを金科玉条としてきた自由主義経済。
「自由」という正義の名前を頂きさえすれば、どんなに行きすぎた事象もすべて暗黙の了解を獲得できたのです。
この無方向の自由奔放・自由競争を野放しにしておく原理。
弱肉強食を当たり前とした理念の成りの果ては、一握りの勝者と圧倒的多数の敗残兵にほかならないのです!
一民族の中に無軌道な外来競争原理を導入することは、より強大な者の寡占を惹起させ、富がより膨れるだけです。
更に大きな問題は、利益を生むところにのみ人は殺到し、貢献・奉仕部分はを等閑に付す歪な社会構造が生まれることです。
本来、民族共同体は、それ自体が有機体であり、それを構成する国民のある部分が目となりある部分が手足とならねばなりません。
そのバランスが維持できなければ健全な成長発展ができる筈がないのです。
ところが現在わが国の経済構造を鑑みれば、頭でっかちで手足がない状態です。
即ち、食糧を供給すべき第一次産業人口が完全衰退し、製造部門の第二次産業も東南アジアに工場移転するなど切り捨て御免状態です。
第三次産業という浮遊部門だけがブクブク肥え太っている。
いったいこの実体のもたないサービスだけでどうやって実生活していくのでしょうか。
さらには、少子化が進み、六十五歳以上の高齢人口が25%になろうとする民族滅亡が約束される人口構成比。
その労働人口も年々減りつづけるだけでなく、青年は一流市民を気取り、条件の悪い職には手を染めない。
間隙を縫って不法外国人が跋扈、歓楽街には治外法権のゲットーができる始末。
この経済構造の空洞化がいわれて久しいにもかかわらず「市場原理」に身を委ね何の対策もしてこなかった政府。
これぞ、「自由」の美名に酔狂した無軌道垂れ流しの欲望経済のなれの果てであることを厳しく指摘せねばなりません!
大東亜共栄圏こそ、アジア独立の生存圏
3・強力国防国家=食糧自給自足体制の建設を急げ!
そして旧弊に囚われるあらゆる価値観を粉砕しなければなりません。
共産主義・社会主義は打倒すべきイデオロギーたるは言うまでも無いことですが、同時に資本主義をも抹殺すべき対象物であることをはっきり認識しなければなりません!
何故なら、その双方は近代西洋イデオロギーの一卵性双生児であるからです。
嘗てスペイン・ポルトガルが、英仏がそして米ソが世界を分割侵略支配してきた如く、世界を白人帝国主義の支配下に置くことを強要せしめるための白人の常套手段であるのです!
世界中がどちらか一方に組するように仕組むことによって、結局は双方どちらにしても西洋白人の軍門に下ることには変わりはない訳です!
我々は、いま世界史の大転換期に屹立しています。
既存の二者択一の価値観からの脱却!
固定概念の払拭!
あらたな文明闘争を始めなければなりません!
その文脈から経済のあり方を判断すれば、経済の本質は国家民族への奉仕との結論が下されます!
国際社会・貿易中心から国家共同体への回帰。個人主義から国家主義、私益から国益への回帰。
さすれば民族共同体の自立・自主・自存の確立の為に「人・物・金」の適材適所を配置することが肝心となるのです!
まさに、強力な国家の建設こそ、健全な経済・生活安定の基盤であることを明確に理解しなければなりません。
金融恐慌・外資の乱入は、弱小国家故の列強の経済侵略を誘引させることになり、弱小国は、まず経済的に侵略され、次に政治的侵略、畢竟軍事的侵略を経て奴隷植民地と成り果てる運命なであることを歴史から忘れてはなりません!
失業急増、経済破綻、金融恐慌の現象が山積する現在、これらの要素はひとえに弱小国ゆえの悲哀であり、対米傀儡を至上とするわが国が米国以上の安定と繁栄をもたらすことは絶対にありえないことを認識すべきです。
強力国家建設は、正面の軍事力を拡充させることだけを第一義とするのでは断じてなく、強力な民族主義精神に則った新たな価値観の創造と、食糧自給自足体制に裏打ちされた強力な生活・産業構造を意味するものです。
米国を中心とした「国際主義」に右往左往して国内経済がズタズタとなっている現在諸問題の克服は、まさに強力な民族主義政権の樹立と、資本・共産を超越した民族共同体経済構造の建設をおいて他にありません!
経済破綻・失業を惹起させわが国奴隷化たらんとする白人帝国主義を粉砕し、その手先・永田町ウジ虫を打倒しなくてはなりません!
TPPの参加・不参加は、もはや低次元の論争に過ぎず、急がねばならぬは戦後67年の民族破滅政策の粉砕であります。
わが国の自給自足経済体制、その演繹にある大アジア共同体建設こそ、わが国主導の大ブロック共同体であり域内の「自由・発展・規律」の共存共栄圏の先駆けとなるのです。